オーダーメイド研修とは、企業ごとの目的、仕事、対象者の役割に合わせて、扱う内容・ケース・演習を設計する研修です。既製研修より常に優れているのではなく、自社固有の仕事や判断基準へ接続する必要があるときに選択肢になります。
弊社では、個社研修を、社名や事例の差し替えだけで終えるものとは考えていません。会社の仕事のやり方や歩みを聞き、対象者が実際に向き合う場面に合わせて、学ぶ内容と演習を組み立てます。
一方で、個社化が常に必要なわけではありません。研修単独で成果を保証するものでもありません。
この記事では、弊社Mario Rossiが「オーダーメイドの社員研修」をどのように考えているのか、何を聞き、どうつくり、どこまでを設計上の到達方向とするのかを説明します。あわせて、案件ごとに確認が必要な範囲も明らかにします。
オーダーメイド研修とは
個社化するのは、会社名ではなく、扱う素材の選び方、ケースにする場面、演習で考える内容です。
そのために、研修の目的に応じて、会社の仕事、歩み、判断で大切にしていること、受講者の役割などを確認します。そのうえで、一般的なビジネススキル、会社の歴史や理念、マネジメント、自己内省などから、対象者の経験と課題に必要な素材を選び、実際の仕事に合う内容へ組み替えます。
すべての研修に同じ素材を入れるわけではありません。
まず、会社の仕事と歩みを聞く
弊社の研修づくりは、会社の仕事のやり方や歩みを聞くところから始まります。
案件の目的に応じて、会社の目的、仕事の進め方、現場で使われている言葉、対象者が直面する場面など、必要な事項を確認します。外から一つの正解を持ち込むためではありません。その会社の中にある経験や判断を、研修で扱える言葉と教材へ置き直すためです。
具体的なヒアリングの回数・参加者・確認項目は、研修の目的と対象者を踏まえて個別にご案内します。
オーダーメイド研修の作り方|聞く・組む・仕事へつなぐ
弊社では、聞いた内容を会社紹介として並べるだけで設計を終えません。対象者の役割、経験、課題に合わせて、実際に直面しうる場面へ置き換えます。
たとえば、同じマネジメントのテーマでも、経営者、管理職、これから部下を持つ社員では、向き合う場面も判断の重さも異なります。誰が、どの仕事で、何を判断できるようになる必要があるのか。そこから、扱う知識、ケース、演習を考えます。
考え方は、「聞く」「組む」「仕事へつなぐ」の3段階です。
- 会社の仕事、歩み、現場の言葉を聞く
- 対象者が直面する場面を定め、内容、ケース、演習を組む
- 研修での理解を、仕事で使い、学び、改善し、教える方向へどうつなぐかを考える
これは全案件に共通する固定工程や、標準の支援範囲を示すものではありません。実際の進め方は、研修の目的と条件によって変わります。
オーダーメイド研修で「どこまで残す」か
研修は、受講者が内容を理解した時点で終わりとは考えません。社員が仕事で使い、学び、改善し、ほかの社員に教えられるようになることと、組織が共通の判断基準や育成の材料を持ち、見直しを続けられること。そこまでを、研修を設計するときの到達方向として考えます。
ただし、研修後のフォロー、効果測定、教材の納品、社内で教えるための準備を支援範囲に含めるかどうかと、その具体的な範囲は、案件ごとに確認します。これらを一律の支援範囲として約束するものではありません。
オーダーメイド研修でも、研修だけで成果は決まらない
研修単独で、売上や長期的な成果の変化を保証しません。弊社では、受講者が研修後に実践することに加え、上司の関与、実践する機会、振り返りの機会など、職場側の条件も含めて到達点を考えます。
そのため、社員が何をできるようになるかと、組織がどのような条件を整えるかを分けます。効果測定を行うか、どの方法を使うか、その設計・実施を支援範囲に含めるかは、ご相談のときに一緒に決めます。
既製研修とオーダーメイド研修の違い・選び方
個社研修が、既製研修より常に優れているとは考えていません。
共通の知識を学ぶことが目的で、自社固有の仕事や判断場面へ置き換える必要がなければ、個社化しない選択肢も比較できます。反対に、次のような場合は、会社に合わせて研修をつくる意味があります。
- 自社の仕事の進め方や判断基準に接続したい
- 対象者の役割や経験に合うケースで考えてほしい
- 研修後に、仕事でどう使うかまで見据えたい
- 社員側の変化だけでなく、育成を続けるための組織側の条件も整理したい
選ぶ基準は、「個社研修の方がよいか」ではありません。「自社固有の仕事、言葉、判断基準へ接続する必要があるか」です。
オーダーメイド研修の支援範囲と確認事項
研修づくりで重視すること
- 会社の仕事のやり方や歩みを聞く
- その会社に合わせた社員研修を一からつくる
- 対象者の役割、経験、課題に合わせて考える
- 研修だけによる成果を保証しない
必要性・対応可否・具体的な範囲を案件ごとに確認する事項
- ヒアリングの回数・参加者・確認項目
- 制作期間・研修日数・実施形式
- 研修後のフォロー・効果測定
- 納品物・社内で教えるための準備
後半の項目は、対応や提供をあらかじめ約束する一覧ではありません。研修の目的、対象者、条件に応じて、必要性、対応可否、具体的な範囲を個別に確認します。
オーダーメイド研修の相談前チェックリスト
個社研修を検討する際は、まず次の4点を整理すると、必要な研修の輪郭が見えやすくなります。
- 研修を通じて、どの仕事や判断を変えたいのか
- 誰が受講し、どのような役割を担っているのか
- 現場で実際に起きている場面は何か
- 研修後、仕事の中でどのように使ってほしいのか
この4点を整理したうえで、自社固有の仕事や判断基準へ接続する必要があるかを検討してください。

